Nano Bananaの画像編集の実力

Summary

Googleの画像生成AI「Nano Banana」」の画像編集機能。「元画像の人物や構図を全く崩さずに編集できる」という従来の生成AIにはできなかったことを実現し、AI業界で話題になっています。

今回は1枚の画像を用いて、自然言語によるプロンプトで簡単に編集可能である当機能の実力を検証してみました。



1.Nano Bananaの画像編集機能について

Google DeepMindが2025年8月に発表した最新の画像生成AI「Nano Banana」。その大きな進化は、ただ画像を生成するだけでなく、「生成した画像を自然に編集できる」点にあります。しかも従来の生成AIでよく見られたような「人物が崩れる」「構図が大きく変わってしまう」といった問題を克服し、元の人物やシーンを保ちながら部分的な修正を加えることが可能になりました。

Nano Bananaでは、主に2つのアプローチで編集が行えます。ひとつは「マスクベース編集」で、服装や小物といった特定の領域だけを選んで変更する方法です。もうひとつは「マスクフリー編集」で、背景や雰囲気を一括で切り替える手法になります。
この二つを組み合わせることで、「夏服に変える」「会議室をカフェにする」「小物を自然に追加する」「背景を未来都市に差し替える」といった多彩な編集が、テキストによるプロンプトだけで実現可能です。

特筆すべきは「人物や構図が崩れない」点。従来のAIでは部分的な修正を加えると顔立ちが変化したり、不自然な影が生じることが多くありました。
しかしNano Bananaの画像編集機能では、人物の自然さを維持したまま、服装や背景だけを的確に変えることができます。


2.画像編集機能の検証

1枚の画像を使って、プロンプトによってどこまで編集できるか、その実力を検証していきましょう。

①最初の画像


②(プロンプト:)この画像の色を付けてください。


③実写風にしてください。


④この男性を正面から撮った画像にしてください。


⑤この男性を笑顔にしてください。

⑥男性のキャップを外してください。


⑦男性を短髪にしてください。


⑧男性のサングラスを外してください。


⑨イヤホンを外してください。


⑩Tシャツをブラックにしてください。

⑪男性が着ているTシャツを長袖にしてください。

ここからプロンプトを追加すると、編集がされないようになってしまいました。
AIは長期記憶が苦手であることによるものだと考えられます。しかし、1枚目のモノクロイラストから自然言語のみで、構図もカラーも違う実写画像まで編集を加えられるなんて凄いと思いませんか?


3.まとめ

今回の検証を通じて明らかになったのは、Nano Bananaが「ただの画像生成AI」から「実用的な画像編集ツール」へと進化したという点です。人物や構図を壊さずに部分的な変更ができる技術は、広告やコンテンツ制作、EC領域における商品画像の最適化など、幅広い場面での活用を後押しするでしょう。

また、マスクベース編集とマスクフリー編集を組み合わせることで、従来のPhotoshop的な操作を大幅に省力化し、誰でも自然言語だけで高度なビジュアル編集を行える未来が見えてきます。今後は静止画だけでなく、動画編集やインタラクティブな3D空間の編集へと発展していく可能性が高いと考えられます。


おまけ

チャットを新規作成することで、編集を続けることができたので、もう少し編集を加えてみました。

①最初の画像


②この男性を女性にしてください。


③背景を街中にしてください。


④画像の人物をもっとルーズに撮ってください。

⑤ベンチに座ってください。

次へ
次へ

Google Imagen 4の画像編集機能